セラピストの手首骨折日記⑨

退院したけど、現実は甘くなかった

利き手が使えない生活の始まり

病院では看護師さんが助けてくれた。

でも家には私一人。

「さて、どうしよう。」

玄関に立った瞬間、ここから全部自分でやらなきゃいけないんだと気づきました。


買い物がこんなに難しいなんて

スーパーに行って最初に困ったのはバッグ。

リュックを背負えば楽かなと思ったら、ファスナーが開けられない。

右手はまだ腫れていて、肘で押さえるくらいしかできません。

結局、一番使いやすかったのはたすき掛けできる布バッグでした。

財布も小さい財布では開けられず、長財布に変更

右肘で財布を押さえながら、左手でファスナーを開ける。

そんな工夫をしながら買い物をしていました。

カゴも持てないので、行けるのはカートがあるスーパーだけ

支払いも、現金よりクレジットカード一択でした。

そして救世主になったのが、ネットスーパー

配送料はかかるけれど、自宅まで届けてもらえるありがたさは、お金では代えられませんでした。

実は今でも利用しています。


包丁が使えない生活

退院前は、

「家に帰ったら普通にご飯を作ろう」

なんて思っていました。

……甘かったです(笑)。

包丁が使えない。

買ってあったりんごは、そのまま丸かじり。

きんぴらを作る予定だったれんこんは、レンジで温めてフォークを刺して食べるだけ。

もちろん味付けなし。

びっくりするくらい美味しくなかったです(笑)。

それ以来、

  • プチトマト
  • お惣菜
  • カット済み食品

そんな食材ばかり買うようになりました。


一番苦戦したのは洗濯

実は、一番大変だったのは料理ではありません。

洗濯物を干すことでした。

いつも使っていたのは、お風呂場のポールに吊るして使うピンチハンガー。

吊るすこと自体は片手でもできます。

でも問題は、そのあと。

洗濯物を左手で持ったまま、同じ左手でピンチを開いて挟むことができないんです。

「洗濯物を持つ手」と「ピンチをつまむ手」が、どちらも左手しかない。

これには本当に困りました。

そこで思いついたのが、ピンチハンガーを床に裏返して寝かせる方法

洗濯物をその上に置いて、左手だけで一つずつピンチに挟んでいきます。

全部挟み終わってから、最後にまとめてポールへ吊るす。

この方法なら何とか干すことができました。

ただ、一度の洗濯を干し終わるまでに30分以上

「洗濯って、こんなに大変だったんだ…」

そう実感した瞬間でした。


「当たり前」は当たり前じゃなかった

ペットボトルは開かない。

ジャムの瓶も開かない。

卵も片手では割れない。(利き手ならできるのか?)

服を着替えるだけでも一苦労。

トイレでズボンを上げ下げするだけでも時間がかかる。

普段は何も考えずにやっていたことが、

全部「難しいこと」に変わっていました。

でも、

人間って不思議です。

困るたびに、

「じゃあどうすればできる?」

と考えるようになるんですよね。

少しずつ、自分なりのやり方を見つけながら生活していました。


今回わかったこと

✅ 入院中より、退院してからの生活のほうが大変だった

✅ 利き手が使えないだけで、生活はここまで変わる

✅ でも、人は工夫しながら少しずつ慣れていける


次回予告

次回は、

私が実際にやって「これは助かった!」と思った工夫をまとめます。

バッグ選び、財布、買い物、料理、洗濯、お風呂…。

利き手が使えなくても生活できた、私なりのアイデアをご紹介します。

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